ワーゲンバスとPOPな毎日　JOY-WORKS

クルマの通りの多い道路だったし
後続車にひかれちゃうかも…それとも…そう思って
走り出そうとしたら、途中で乗用車の中から女性に声を掛けられた。
「あの、さっき後ろを走ってたんだけど、200mくらい手前に落ちてましたよっ」
慌ててお礼を言って、さっきクルマで走ってきた道路脇の歩道を走り出した。

道路と植樹帯と歩道とをキョロキョロ見ながら300mほど走ったところで振り返ると
後ろからYGさんが追いかけてきたのが見えた。

少し呼吸を整えながら、今度は歩いて探す。
そのうち追いついたYGさんと一緒に二人でキョロキョロ。
「おっかしいな〜　どこ飛んでっちゃったんでしょうね〜？」
うろうろ、うろうろ
キョロキョロ…　ガサゴソ…
もう、ゆうに400mは歩いているのに見つからない。
直径２０cmのピカピカ光る銀色のホイールキャップなのに…だ。
「（う〜ん）…」
YGさんは自分自身に言い聞かせるように
何度も「諦めます…もう時間もないし」を繰り返してた。
「でも…絶対有りますよ〜（諦められないよ〜　飛んでったって知ってるし）」

第一、イベント会場に何時に着かなきゃならないってことも無かったし！
（そして、もし、自分ちのだったら探したいと思うし、きっとYGさんも一人なら見つかるまで探すはずだし…と思ってた）
とここで、クルマで待機してた相方から携帯に着信があった。
「ウチので来た道を走ってみよう」
そうYGさんに伝えると、悪いからいいって言われた。
（え〜諦めきれないよおぉぉぉぉ！！）

駐車場に戻り、相方がもう一度言った。
「一回だけ、流しましょうよ」
「…すみません…ありがとうございます」

そうして、三人一緒に乗り込んで、反対車線を走行。
運転する相方の隣で　真剣に路肩を見るYGさんとワタクシ。
さっき歩いたところを過ぎて、数m行ったところで

「あったぁ！」

さすがはオーナー。
見つけました☆

急いで、次の信号でUターンして戻るまでの間
クルマが来て踏んづけやしないかとドキドキ。
落ちてた手前でハザードを出して止まる。
折悪しく、ドドドッとクルマが後ろからやってきた。
タイミングを見計らってシュっと助手席から降りたYGさんが
銀色ピカピカを無事に拾い上げて戻るまで
多分、ほんの数秒。
もっと長く感じられた。

「良かった☆☆！！！」

踏まれもせず、ピックアップ出来て本当にホッとした。
拾い上げられたキャップは落ちて路面でこすったせいで
表面に少しキズがついていたけれど。
（つづく）

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