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2006年06月23日

時の曳航

[ art ]

062301.jpg

本日もなぜだか美術館へ向かう。

県展の時に見なかった常設展。
さすがに空いていた。
学生らしき二人連れが一組と年配の女性二人。
若い方の二人連れは、気づくともうそこにはいなかった。

静かな館内に響く、女性二人の会話に
少しばかり閉口する。
絵を見ながら世間話ってちょっと…ね(笑)。
ま、しばらくしていなくなったからいいけど。

見たかったのは 深井 隆  
「流れゆく思念−時の曳航」1998年  作。
ちょっとポスター見て気になって。

丁寧に形作られた なめらかな表面の木の長椅子。
そして、ところどころ荒く削り取られた痕跡。

椅子の背には椅子の幅より広がった翼がついていた。
今にも飛び立たんとするその翼の右側は、少しばかり欠けていて
完璧な姿じゃなかった。

解説には喪失感漂う 朽ちた椅子 みたいなことが書いてあった。
でもなあ…1998年の作だから? 朽ちているようには見えない。
なんだろうな??
それにしても、重厚でつるりとしたその表面の質感に対して
なんて荒々しい痕跡だろう。

で、また泣く…(笑)
その荒々しさにね。

あくまでも感じたことだけど
この椅子、はじめはきっと完璧であったはずで
あとから削り取られてしまったような気がした。
翼も完璧じゃなくて傷ついていて。

椅子の上には金色に塗られた3つのリンゴと…
それから、やっぱり金色に塗られた聖書が乗っかっていた。

聖書。そしてリンゴと言えば、アダムとイブでしょ?
神の戒めに背いて楽園から追放された二人…。

タイトルは「逃れゆく思念 時の曳航」。
なんだろう。
原罪から逃れて飛び立つ?
傷つきながら???

う〜ん。もどかしい。



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投稿者 ジェイ : 2006年06月23日 23:45

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